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腫瘍マーカー

癌細胞は、特有のたんぱく質や酵素を作り出します。それが微量ながら血液や尿、乳汁などに流れ出します。
腫瘍マーカーは、その異常の兆候を見つけるがんの補助診断法として使われます。腫瘍マーカーの検査によって、身体のどの部分にできた癌か、癌の細胞はどんな性質か、どの治療が有効か、手術後にとり残しがないか、再発がないかなどを調べることができます。しかし、多くの腫瘍マーカーには、癌に関係なく増えるなど不確実なところがあり、これだけで癌の有無を診断することはできません。
※こちらから、腫瘍マーカーの主な適用疾患を簡単にプリントアウトできます。

腫瘍マーカーの算定について

腫瘍マーカーの算定にあたり、特に注意しなければならないのは、癌(もしくは癌術後)の患者に対して、他の部位に癌の疑いがあり、それに対して腫瘍マーカー検査を実施した場合です。

基本

“悪性腫瘍の診断が確定し、計画的な治療管理を開始した場合、当該治療管理中に行った腫瘍マーカーの検査の費用は、悪性腫瘍特異物質治療管理料に含まれる”(保医発通知より)とあるので・・・
(例)   A癌の患者にB癌の疑いがある
   パターン 1・・・A癌、B癌それぞれに対して腫瘍マーカー検査を実施
    ⇒悪性腫瘍特異物質治療管理料を2項目で算定する
      (検査の部では、算定しない)
   パターン 2・・・B癌に対してのみ腫瘍マーカー検査を実施
    ⇒ 悪性腫瘍特異物質治療管理料を1項目で算定する
       (検査の部では、算定しない)
※つまり、悪性腫瘍の治療管理中に、他の悪性腫瘍(の疑い)が発生した場合、因果関係にかかわらず、包括的に治療管理する必要があるため、悪性腫瘍特異物質治療管理料として算定する。
しかし、例外があります!!
ア 急性及び慢性膵炎に対しての「エラスターゼ 1」
イ 肝硬変、慢性B型肝炎、慢性C型肝炎、に対してのAFP、AFP精密測定、PIVKAⅡ精密測定(月1回に限る)
ウ 子宮内膜症の検査に対してのCA125精密測定、CA130精密測定、、CA602精密測定(治療前後各1回に限る)
エ 家族性大腸腺腫症に対してのCEA精密測定
以上、ア~エが例外事項です。
(だいぶ略していますので、詳しくは解釈本をご覧下さい・・・)

新人研修用に作成した腫瘍マーカー算定の取り扱い(PDFファイル) も参考にして下さい。
(PDFファイルを表示するためには「Adobe Reader」(無償)が必要です。お持ちでない方は、こちらからソフトウェアをダウンロードしてください。 )

(例)   胃癌術後で慢性C型肝炎を併発している場合
 パターン 1・・・慢性C型肝炎に対してAFP精密測定検査を実施
    ⇒検査の部でAFP精密測定を算定する。
      (この場合、生Ⅱの判断料も採血料も算定できる!)
 パターン 2・・・胃癌術後に対しCEA精密測定、
         慢性C型肝炎に対してAFP精密測定検査を実施
     ⇒悪性腫瘍特異物質治療管理料(1項目)を
       CEA精密測定に対して算定、
       別に検査の部でAFP精密測定を算定する。
        (この場合、生Ⅱの判断料も算定できる!)

腫瘍マーカーについての質問

『胃腫瘍』は確定なのですが、それが悪性(癌)なのか、良性なのかが分からない患者様に対して腫瘍マーカーCEAを実施した場合、悪性腫瘍特異物質治療管理料で算定するのか、腫瘍マーカー検査で算定するのかどちらなのか教えて下さい。
患者様は高齢の為、ご家族がGIFを含めた精査は希望されなかったようで、悪性か良性かで判断がつかずに当院へ紹介となりました。
なぜマーカーをするのか? ガンなのかそうでないのかを切り分けるため。ガンだったらそれなりの処置をしなければ!ということからですよね? ということはガンを疑ったことになりますよね?だったら「ガン疑い」と病名に入れましょう!
また、「悪性腫瘍~」はその名の通り悪性-ガンに対する管理料ですので、良性では算定できません。今回はどちらか判断がついていないため、生Ⅱ腫瘍マーカーでの算定です。
「患者様は高齢の為、ご家族がGIFを含めた精査は希望されなかったようで、悪性か良性かで判断がつかずに当院へ紹介となりました。」
この旨をコメントとして記載しましょう。
『胃腫瘍』が確定しているということなら、その病名も入れていいでしょう。プラス悪性疑いとか胃がん疑いとかを入れましょう。
(回答者 ヒロピーさん)
病名が慢性B型肝炎で、AFP精密とPIVKAⅡのマーカーをしました。
腫瘍マーカーは2項目ではなく、1項目での算定になりますか?
解釈本には、AFP精密とPIVKAⅡは主たるもの・・と書いてありました。
同一月内に「10」のAFPのレクチン反応性による分画比(AFP-L3%)を「2」のα-フェトプロテイン(AFP)又は「6」のPIVKAⅡと併せて実施した場合は、主たるもののみ算定する。
のことですかね??
AFPのレクチン反応性による分画比(AFP-L3%)+AFP
で検査したら主たるもののみ(この場合、AFPのレクチン反応性による分画比)
AFPのレクチン反応性による分画比+PIVKAⅡ
で検査したら主たるもののみ(この場合、AFPのレクチン反応性による分画比)
ってことで
AFPとPIVKAⅡを併せて行った場合は、2項目で算定可能です。
(回答者 ダンゴ)
最近、腫瘍マーカーの検査が縦覧点検により査定されてくる件数が増加しました。3ヶ月、6ヶ月、8ヶ月のあいだを開けてあり、病名もしっかり付けてありますが、すべて査定されておりかなりの件数です。
これは、もうすべて算定できないという事なのでしょうか?ちなみにCEAの検査、CA19-9の検査です。
「診療及び腫瘍マーカー以外の検査の結果から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者に対して、腫瘍マーカーの検査を行った場合に、1回に限り算定する。」
ってところで引っかかっているのでしょうか?
例えば、エコー検査や胃カメラなどを実施しているケースならセーフで、
いきなり血液検査で腫瘍マーカーを実施したらアウト!とか…。
勤務先の先生は、できるだけ腫瘍マーカーだけの算定はせずに、他の生体検査もやって算定されています。
疑い病名での腫瘍マーカー検査の算定について教えて下さい。
同日に内科と婦人科を受診し、両方の科でそれぞれ別の癌を疑い、それぞれ別の腫瘍マーカー検査(婦人科で1項目、内科で2項目)をしました。
この場合、まとめて3項目とするのか、それぞれ1項目と2項目として算定するのか。
それぞれ別に採血をしています。
アドバイス宜しくお願いいたします。
(2018/4/16)
同日であればまとめる必要があると思われます。
(回答者 ぽちさん)

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