- Q:医師が「性器ヘルペス」に対してバルトレックス2錠を処方していました。先輩から詳記をもらった方が良いとのアドバイスがあったので医師にお願いしたら、“初発型は2錠で適応です。”とのコメントがありました。
Webなどで調べても確かにそのような事例があるので現実はOKなのだと思いますが、根拠とする薬効・薬価リストには「性器ヘルペスの再発抑制」の記載しかなく、初発型に関することは書かれていません。
このような場合、やはり詳記をつけた方が良いのでしょうか? 例えば、初発型は単純疱疹と同じ用法などとはっきり分かる形で示されていれば、すんなり納得できるのですが・・・。
- 単純疱疹とは、皮膚に生じるHSV-1、HSV-2単純ヘルペスウイルスの感染症で、単純ヘルペスともよばれます。口唇にできるものを口唇ヘルペスといい、陰部にできるものは性器ヘルペスと呼ばれます。
したがって、バルトレックスの性器ヘルペスの治療の処方は初発でも、何回目でも(性器ヘルペスはHSV-1、HSV-2どちらの感染もあるが、型によっては再発が非常に多い場合がある)再発抑制療法でなければ1回500mgを1日2回(1日2錠)の用量です。
バルトレックスは、発売後に単純疱疹のなかでも2型性器ヘルペスのみに再発抑制療法の適応が追加承認されたために、用法用量の表記があのようになっているのではないかと思われます。
当
院では数年前に口唇ヘルペス、性器ヘルペス等のHSV-1、HSV-2単純ヘルペスウイルス感染は、レセプト請求の際は単純疱疹に病名を統一するように通
知があり、その後、単純疱疹は廃止病名なので、単純ヘルペスに変更を求める通知がきたらしいです。(前任者退職しているため何年前なのか、また詳しい状況
はわかりません。地方ルールかもしれません) 現在は性器ヘルペスは単純ヘルペスの病名で、再発抑制療法の処方には、性器ヘルペスの病名をつけて請求しています。
性器ペルペス初発型の投与可能日数や、再発抑制療法が適用できる年間再発回数等は添付文書に記載がありますので、そちらを確認する事をおすすめいたします。 再発抑制療法は性器ヘルペス全てに適応になるわけではありませんし、適応する患者さんでも再発抑制療法を希望しなければ、発症するごとに単純疱疹の用法用量での治療をします。
(回答者 やくざいし免許もちさん)
|