- Q:内視鏡検査についての質問です。
当院の循環器科外来には、数年間に渡り、潰瘍・胃炎・逆流性食道炎の治療薬など服用している患者が多数います。内視鏡検査などはせずに患者の症状をもとにオメプラール、タケプロン、ザンタックなど処方することが多いです。しかし、長期間処方を続けて症状が落ち着いてもそのまま処方は続けます。定期的な内視鏡検査は特にしませんが、「なぜ内視鏡検査を進めないのか?」医師へ確認すると、「症状がないので、内視鏡検査は保険の範囲外」だと言うのです。症状がなくても薬を服用している事実があれば、内視鏡検査は保険適用範囲内だと思うのですが、いかがでしょうか?
- 結論から言えばあなたの解釈の方が正しいと考えます。症状がないから胃内視鏡検査は保険適応外というのは内服治療が功を奏して治癒に向ってるので症状が治まって来てると考えるのが普通でしょう。そこで潰瘍や逆食炎の経過を診るために胃内視鏡検査は行うのは至極当然だと思いますが…また治癒したとしても再燃を起こす恐れがあると医師が判断した場合は(起こす恐れがなくても)維持療法としてH2ブロッカーなどは投与していいはずだったと理解しています。検査をしなくても患者の症状、問診などから胃潰瘍の病名をつけてオメプラール、タケプロンの投薬も認められています。
また維持療法におけるH2ブロッカーの用量は地域によって査定の幅があるようです。
(回答者 レセ軍曹さん)
私もあなたの意見は正しいと思います。
PPIについては病名があり、その上で処方を行っておられるのでしょうから当然内視鏡の保険適応範囲内と考えられます。
PPIは確実かつ持続的に胃酸分泌を抑制しますが、完全に止めるわけではなく、必要最低限の酸は分泌されているので心配はないようです。
しかし、作用が強力であり、またlong-activeでもあるので、体内蓄積による副作用の発現には留意しなければいけないそうです。
愛知県薬剤師会の生涯教育にPPIについての記事(内視鏡の保険適応とは関係ないですが。)があります。
レセ軍曹さまがH2ブロッカーについても触れられているので少し。
当院でも以前H2ブロッカーの漫然投与があっていた時期がありました。
そこで、医師と長時間に亘る話し合いを行い現在は、4週間を限度に症状改善が見られなければ内視鏡検査を行うこととしています。
当初は事務のくせにといったこともありましたが、胃腸科を診療科に置いている以上医師も思うところあったようで、今では潰瘍の方でもH2ブロッカーの使用は維持療法を含め16週間程度です。その後は他の胃薬に切り替え量を減らせるよう指導されています。
あくまで当院のやり方ですが、医師曰く、胃酸には食べ物の消化や血液を造るための鉄分の吸収を助けたり、殺菌作用により胃の中に進入する細菌などから身を守るなどの大事な働きがあるため、長期にわたり胃酸を押さえるのは好ましくないとのこと。
また、胃痛を抑える働きもあるため初期の胃がん初期症状を見逃してしまうこともあるそうです。
中止することで再発を繰り返すのであればピロリ菌感染を疑い、検査し治療にあたる。今では私たちも医師のおかげで多くの知識を得ることが出来ています。
長くなりましたが、PPIにしてもH2ブロッカーにしても漫然投与はあまり好ましいことではないように思います。胃腸科の医師と連携を組むことが出来れば最適だと思うのですが。
(回答者 冷え症さん)
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